「サマータイムマシンブルース」
「サマータイムマシンブルース」監督:本広克行 2005年公開
00年代の終盤、深夜に放映していたのをちらっとみかけて面白そうだったのでレンタルしてみた。予想外の収穫だった。
時間SFの傑作として評価の高い小説、ハインライン「夏への扉」、広瀬正「マイナス・ゼロ」をコメディ仕立てにしたような作品。
(ただ、「夏への扉」「マイナス・ゼロ」の2作品は、個人的には、面白かったけれども大好きな作品、高く評価している作品というわけではない。)
「サマータイムマシンブルース」の方は、SF作品としてよりも、コミカルなエンターテインメント作品としてとても面白いし、大好きな映画。
緻密に計算された脚本が素晴らしいし、見返すことによって、細かにちりばめられた遊びに気付く箇所がある。
升毅の使い方は、ポスターでの遊びも含めて秀逸だった。
終盤、ホロっとさせる演出で、アレこのまま感動作品として終了してしまうのか、と思いきや、きちんとコメディ作品としてのオチもつきました。
ままならぬ運命に対しての、やるせない気持ちを残しながらのエンディングで、コメディ作品としての満足感と、余韻の残る切ないラストが印象的な作品でした。
<おまけ>
時間SF作品としては、前述のハインライン「夏への扉」、広瀬正「マイナス・ゼロ」と同様の、因果律の矛盾も含んだうえで、すべてが決定されている、エッシャーの騙し絵のような構造をもった作品となっている。
参考 タイムトラベルが可能な時間と宇宙の性質について http://p.booklog.jp/book/7580
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