「呪恨2<劇場版>」はなかなか凝った構成だった

○メインブログ「ミルクたっぷりの酒」に

  2011年6月20日公開したものを転載


「呪恨2<劇場版>」は、描かれているエピソードの順番と作品内の時系列が異なっているので、作品内で起きた出来事を過去から順に時系列別に再構成してみた。

(数年前にDVDをレンタルして観たときにつくった表。細かい内容は既に忘れている。)


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数字はDVDのチャプター番号だったと思う。多分。


で、チャプター31と37は千春の死後の出来事だから矛盾しているが、これは作り手側のミスではなく意図的にやったことの筈。

ネット上では幽霊屋敷の内部では時空間に歪みが生じているという意見もあった。


幻想作品やSF作品では、時系列の矛盾を意図的に作品内に織り込んで、作品の芸術性(というと大げさだが)や魅力を高めているものがかなりある。

「呪恨2」も試み自体はそれらの作品と同じだったといえる。

作品の構造・構成自体かなり複雑な脚本になっていたが、矛盾をあえて織り込んでいることをみつけた時はかなり得した気分だった。

(読解力のある人間は一回みただけで矛盾に気づいていたのかも知れないが。)


ただ残念なのは、構成自体はかなり趣向を凝らしているのに、それが映画そのものの面白さに結びついていなかった点だろう。

「呪恨2<劇場版>」は劇場版の1作目と比べると面白さは落ちるし、オリジナルビデオ版の1、2と比較した場合でもビデオ版の方が面白かった。

構成の複雑さがあったからなんとか楽しめるものになっていたが、それがなければかなり凡庸な作品になっていたかも知れない。



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